2023年の年末あたりからTikTokでミーム化している”Single Ladies”のダンスチャレンジ。
日本のTikTokerやアイドルグループもこぞってチャレンジした動画を投稿しています。
2008年にビヨンセが発表したこの”Single Ladies”、実はゲイアンセムとして有名な曲なのです。
ゲイアンセムとは、ゲイコミュニティで特別な曲。
本記事では、この曲がゲイアンセムとなった経緯をご紹介します。
アンセム(anthem)とは聖歌、祝歌という意味。
転じてクラブ用語で「定番曲」の意味になっています
ビヨンセによるメッセージ
”Single Ladies”を歌うビヨンセはゲイアイコンとして知られています。
ゲイアイコンとは、ゲイコミュニティーに貢献してきた人物や、憧れの対象、偶像となっている人物のこと。
2013年、ビヨンセは同性婚を支持するメッセージを投稿。
それは、この曲の歌詞を引用した手書きのメッセージでした。
ビヨンセの生き様やスタイルがゲイコミュニティに支持されていることもあり、彼女の楽曲はクラブでも大人気です。
ドラァグクィーンたちも、ビヨンセのメイクや髪型を真似してリップシンクなどのパフォーマンスをしてきました。
ドラマ”Glee”でカバー
2009年より放送開始されたドラマ”Glee”は、キャストが新旧のヒット曲をカバーし続け社会現象にまでなった作品です。
第1シーズン第4話でクリス・コルファー演じるカート・ハメルが”Single Ladies”をカバー。
カートがゲイであることに父親が気付く、という繊細なシーンと、偏見をはねのけてアメフトのフィールドで踊るシーンでした。
海外のLGBTQサイトpride.comでも、「GleeにおけるLGBT関連エピソードベスト9」の6位に選ばれています。
この曲はドラマにとっても特別なものとなっており、シリーズ後半でも非常に印象的なシーンでカバーされました。
ライザ・ミネリによるカバー
2010年の映画「セックス・アンド・ザ・シティ2」の冒頭、主人公の友人である同性カップルの結婚式で、この曲が使われました。
カバーしたのはライザ・ミネリ。
元祖ゲイアイコンであるジュディ・ガーランドの娘であり、本人もゲイアイコンとして知られている女優です。
Gleeによりゲイアンセムとなった曲を大御所がカバーするという粋な演出でした。
もともと、この曲は結婚を切り出したくても切り出せない男性を鼓舞する内容の歌。
左手をひらひらさせる動きは結婚指輪を表しています。
これ以後、同性カップルの結婚式のプレイリストに入れられる曲の一つとなりました。
まとめ
TikTokでバズり中のダンスチャレンジの音源”Single Ladies”についてご紹介しました。
発表された2008年から2010年代にかけて、
- ビヨンセによるメッセージ
- Gleeでのカバー
- ライザ・ミネリによるカバー
により、ゲイアンセムとして支持されてきました。
2024年の今、この曲が再び注目された理由は不明です。
しかし、ダンスチャレンジを投稿しているTikTokerにはこの背景を知る世代も多数いることでしょう。
今年のPride月間には、パレードなどでこの曲がかかる機会が増えるのではないでしょうか。
Gleeで知った曲なので、TikTokでチャレンジになっているのを見て驚きました♪